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English 令和7年1月21日 金融庁
FSA Analytical Notes(2025.1)vol.2
「FSA Analytical Notes(2025.1)vol.2」を公表しました。 全文
金融機関の経営環境や収益構造が変化していく中で、データに基づき、経済・市場動向を理解し、個別金融機関の経営状況や金融システム全体の強靭性・脆弱性を的確に把握することが重要です。金融庁では、こうした観点から、貸出データや企業の個社データ等の粒度の細かいデータ(高粒度データ)等を活用した分析に取り組んでおり、その一部は『FSA Analytical Notes ―金融庁データ分析事例集―』として公表する方針としています。
今回のレポートでは、『共通貸出先に対する債務者区分の付与状況に関する分析』及び『地域銀行の住宅ローンに関する実態把握』を掲載しています。企業向け及びリテール向けそれぞれの貸出について、共同プラットフォームから収集した貸出明細データを活用している点に特徴があります。
共通貸出先に対する債務者区分の付与状況に関する分析
共同データプラットフォームで収集された銀行の貸出明細データを活用し、複数銀行が貸出を行っている債務者(共通貸出先)に対する債務者区分の付与状況に着目した分析を実施した。分析の結果、共通貸出先の財務状況等による影響を除外したとしても、地域銀行の共通貸出先について、圏外向け(越境)である場合や、大手行が債権者に含まれる先である場合には、それぞれ債務者区分が正常先となる確率が高くなることが確認された。引き続き、貸出明細データを活用した多面的な実態把握や分析を継続することで、信用リスク管理態勢に係る理解を深化させていく。
地域銀行の住宅ローンに関する実態把握
共同データプラットフォームで収集された銀行の貸出明細データを活用し、地域銀行の住宅ローンについてきめ細やかな実態把握を試みた。金利種別や水準に地域差があることや、債権1件当たりの実行金額や貸出期間が増加傾向にありリスク要因が増加している可能性があることが確認された。引き続き、明細データを活用した多面的な実態把握を継続することで、モニタリングの高度化に向けた明細データの活用可能性を見出していく。
金融行政におけるデータ活用の高度化は、中長期的な課題です。金融庁としては、今後とも、金融行政を不断に改善していく観点から、組織としてのデータ分析力の向上及びデータ整備への取組みを鋭意進めていきます。
※なお、特段の注記がない限り、本レポートにおける図・表は金融庁作成です。
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お問い合わせ先
金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総合政策局リスク分析総括課マクロ・データ分析参事官室(内線3330、2797)E-mail datastrategyoffice[at]fsa.go.jp
https://www.fsa.go.jp/common/about/kaikaku/fsaanalyticalnotes/20250121/20250121.html