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令和5年11月30日 金融庁
「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等(期間:令和5年7月1日~同年9月30日)
【今期(令和5年7月1日~同年9月30日)の分野別受付件数等】
今期の金融サービス利用者相談室に寄せられた相談等の受付件数は13,271件となっており、前期(令和5年4月1日~同年6月30日)の11,574件に比べて、増加(+1,697件)しています。
分野別に見る相談等の受付件数は次のとおり(下記3参照)。
・ 預金 ・ 融資等に関するもの
4,056件
(前期比 ▲270件)
・ 保険商品等に関するもの
2,798件
(前期比+1,203件)
・ 投資商品等に関するもの
3,092件
(前期比 +165件)
・ 貸金等に関するもの
553件
(前期比 ▲20件)
・ 資金移動・前払式支払手段等に関するもの
96件
(前期比 +4件)
・ 暗号資産(仮想通貨)等に関するもの
1,248件
(前期比 +347件)
・ 金融行政一般・その他
1,428件
(前期比 +268件)
AIチャットボットについては、1,460人(7月:506人、8月:482人、9月:472人)のアクセスがありました。なお、これまで利用者の皆様に当該チャットボットをご利用いただいた中で把握できたこと等を踏まえ、本年11月1日に質問等の内容の拡充を行いました。
1.はじめに
(1)金融庁では、金融サービス利用者の利便性の向上を図るとともに、寄せられた情報を金融行政に有効活用するため、金融サービス等に関する利用者からの電話・ウェブサイト・郵送等を通じた質問・相談・意見等に一元的に対応する金融サービス利用者相談室(相談室)を開設しています。
(2)利用者からの相談等については、専門の相談員(金融サービス相談員)が電話で対応しています。金融サービス相談員は、問題点を整理するためのアドバイスや、業界団体が開設している紛争解決機関等の紹介を行っています。また、寄せられた相談等の内容や処理状況等については、金融庁内の関係部局に回付し、検査・監督部門が行う金融モニタリング等の参考として活用しています。 なお、あっせん・仲介・調停を行うことはできませんので、予めご了承ください。
(3)利用者からの相談事例と相談室からのアドバイス 寄せられた相談等のうち利用者の皆様に役立つと思われる相談事例及びそれに対する当庁からのアドバイス等を公表しています(詳細については、下記5.をご参照ください)。
(4)相談等の受付状況の公表 相談室に寄せられた利用者からの相談項目・件数等については、四半期毎に公表しています。今期における相談等の受付状況等は、以下のとおりです。
2.受付状況
今期の相談等の受付件数は13,271件(1日当たり:平均214件)となっています(詳細については、別紙1をご参照ください。)。 その他、AIチャットボットに1,460件(1日当たり:15人)のアクセスがありました。 相談等の内訳は、以下のとおりです。
(1)相談等の類型 質問・相談として寄せられたものが9,219件(70%)、意見・要望として寄せられたものが3,544件(27%)、情報提供として寄せられたものが324件(2%)等となっています。
(2)相談等の方法 電話による相談等が9,356件(71%)、ウェブサイトによる相談等が3,535件(27%)、手紙による相談等が279件(2%)等となっています。
(3)相談等の分野 預金・融資等に関するものが4,056件(31%)、保険商品等に関するものが2,798件(21%)、投資商品等に関するものが3,092件(23%)、貸金等に関するものが553件(4%)、資金移動・前払式支払手段等に関するものが96件(1%)、暗号資産(仮想通貨)等に関するものが1,248件(9%)、金融行政一般・その他が1,428件(11%)となっています。
(4)AIチャットボット 利用時間別では、相談室受付時間中(10時~17時)における利用者は965人(62%)、相談室受付時間外の利用者は591人(38%)となっています。 ※利用時間別では延べ人数としています。
3.分野別の受付状況
(1)預金・融資等 預金・融資等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、やや減少(4,326件⇒4,056 件)しています。 要因別では、行政に対する要望等に関するものが1,614件(40%)、一般的な照会・質問に関するものが785件(19%)等となっています。 業態別では、銀行に関するものが3,183件(79%)、信用金庫・信用組合等の協同組織金融機関に関するものが430件(11%)等となっています。 業務別では、預金業務に関するものが1,263件(31%)、融資業務に関するものが537件(13%)等となっています。 なお、銀行協会等の業界団体を紹介した相談等は143件ありました。
(2)保険商品等 保険商品等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、大幅に増加(1,595件⇒2,798件)しています。 要因別では、個別契約の結果に関するものが1,209件(43%)、行政に対する要望等に関するものが619件(22%)等となっています。 業態別では、損害保険会社に関するものが1,182件(42%)、生命保険会社に関するものが478件(17%)等となっています。 なお、保険協会等の業界団体を紹介した相談等は591件ありました。
(3)投資商品等 投資商品等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、やや増加(2,927件⇒3,092件)しています。 要因別では、個別取引・契約の結果に関するものが1,255件(41%)、一般的な照会・質問に関するものが1,119件(36%)等となっています。 業態別では、個別法人・団体に関するものが1,102件(36%)、証券会社(第一種業)に関するものが541件(18%)、登録詐称・無登録業者に関するものが165件(5%)等となっています。 商品別では、FXに関するものが685件(22%)、上場株式に関するものが258件(8%)、債券等に関するものが126件(4%)等となっています。 なお、証券業協会等の業界団体を紹介した相談等は478件ありました。
(4)貸金等 貸金等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、やや減少(573件⇒553件)しています。 要因別では、一般的な照会・質問に関するものが248件(45%)、個別取引・契約の結果に関するものが110件(20%)等となっています。 なお、貸金業協会等の業界団体を紹介した相談等は21件ありました。
(5)資金移動・前払式支払手段等 資金移動・前払式支払手段等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、やや増加(92件⇒96件)しています。 要因別では、一般的な照会・質問に関するものが41件(43%)、個別取引・契約の結果に関するものが35件(37%)等となっています。 業態別では、前払式支払手段発行者に関するもの56件(58%)、資金移動業者に関するものが40件(42%)等となっています。 なお、資金決済業協会等の業界団体を紹介した相談等は25件ありました。
(6)暗号資産(仮想通貨)等 暗号資産(仮想通貨)等に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、大幅に増加(901件⇒1,248件)しています。 要因別では、個別取引・契約の結果に関するものが903件(72%)、一般的な照会・質問に関するものが252件(20%)等となっています。 なお、暗号資産取引業協会等の業界団体を紹介した相談等は42件ありました。
(7)金融行政一般・その他 金融行政一般・その他に関する相談等の受付件数は、前期に比べて、増加(1,160件⇒1,428件)しています。 要因別では、一般的な照会・質問に関するものが939件(66%)、行政に対する要望等に関するものが320件(22%)等となっています。
(8)事前相談(予防的なガイド) 事前相談(予防的なガイド)の受付件数は98件となっています。
(9)詐欺的な投資勧誘に関する情報 詐欺的な投資勧誘に関するものが1,918件あり、そのうち1,598件が何らかの被害があったものとなっています。年齢別性別内訳は別紙1(別表)をご参照ください。
(10)貸し渋り・貸し剥がしに関する情報 貸し渋り・貸し剥がしに関する情報提供は5件寄せられています(「貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付・活用状況について」は、別紙2をご参照ください)。
4.利用者から寄せられた相談等の活用状況
利用者の皆様から寄せられた相談等は、利用者全体の保護や利便性向上の観点から検査・監督部門が行う金融モニタリング等に活用しています。 今期に受け付けた情報提供のうち、以下のものなどについて、金融機関等に対するヒアリングや検証等、金融行政を行う上での貴重な情報として活用しています。
(活用事例)
・ 預金取扱金融機関によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの
・ 預金取扱金融機関における不適切な顧客対応に関するもの
・ 預金取扱金融機関の融資業務における担保の取扱いに関するもの
・ 預金取扱金融機関における情報管理態勢に関するもの
・ 預金取扱金融機関の融資業務における保証の取扱いに関するもの
・ いわゆる貸し渋り・貸し剥がしや貸出条件変更に関するもの
・ 預金取扱金融機関における口座凍結等に関するもの
・ 預金取扱金融機関における口座開設対応に関するもの
・ 預金取扱金融機関における口座管理に関するもの
・ 預金取扱金融機関の不動産融資業務における審査管理態勢に関するもの
・ 預金取扱金融機関のお問い合わせ窓口(HPが分かりにくい、問い合わせ電話に出ない等)に関するもの
・ 海外送金に関するもの
・ 保険会社の保険金等の支払いに関するもの
・ 保険募集人等の不適切な行為(重要事項の不十分な説明、手続に関する不適切な案内・対応、名義借り等)に関するもの
・ 無登録営業に関するもの
・ 金融商品取引業者の不適切な顧客対応に関するもの
・ 貸金業者における不適切な顧客対応に関するもの
・ 暗号資産交換業者における不適切な顧客対応に関するもの
・ 資金移動業者における不適切な顧客対応に関するもの
・ 前払式支払手段発行者における不適切な顧客対応に関するもの
・ 入出金手数料に関するもの
・ 口座の不正利用に関するもの
また、利用者の皆様から寄せられた相談等のうち、預金口座の不正利用に関する情報については、金融機関及び警察当局へ49口座の情報提供を行っています(金融庁及び全国の財務局等より金融機関及び警察当局への情報提供については、「預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について」をご参照ください)。
5.利用者からの相談事例と相談室からのアドバイス
利用者の皆様に役立つと思われる相談事例及びそれに対する当庁からのアドバイス等については、以下をご参照ください。
(1)預金・融資等に関する相談事例及びアドバイス等
「免許の確認、預金保険制度に関する相談等」
「本人確認に関する相談等」
「盗難・偽造キャッシュカードに関する相談等」
「振り込め詐欺救済制度に関する相談等」
「特約付定期預金等に関する相談等」
「融資に関する相談等」
(2)保険商品等に関する相談事例及びアドバイス等
「保険内容の顧客説明に関する相談等」
「告知義務に関する相談等」
「保険契約に関する相談等」
「保険金の支払に関する相談等」
「少額短期保険業者に関する相談等」
「保険契約者の保護に関する相談等」
(3)投資商品等に関する相談事例及びアドバイス等
「金融商品の購入に関する相談等」
「投資信託の購入に関する相談等」
「外国為替証拠金取引に関する相談等」
「自社発行未公開株に関する相談等」
「ファンドに関する相談等」
「金融商品取引業者との取引に関する相談等」
「金融商品取引業の登録に関する相談等」
「投資者保護制度に関する相談等」
「社債に関する相談等」
「高齢者に対する投資勧誘に関する相談等」
(4)貸金等に関する相談事例及びアドバイス等
「多重債務に関する相談等」
「違法な金融業者からの借入れに関する相談等」
「強引な取立てに関する相談等」
「取引履歴の開示に関する相談等」
「返済条件の変更に関する相談等」
「金利引下げに関する相談等」
「総量規制に関する相談等」
「都道府県登録業者に関する相談等」
「完済後の書面交付に関する相談等」
(5)暗号資産(仮想通貨)に関する相談事例及びアドバイス等 *その他、金融庁のウェブサイト(「利用者の方へ」「暗号資産の利用者の皆様へ」)では、金融サービスを利用する皆様にご注意いただきたい情報を掲載しています。
お問い合わせ先
金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総合政策局リスク分析総括課コンダクト監理官室金融サービス利用者相談室(別紙2)総合政策局総務課、監督局総務課
https://www.fsa.go.jp/soudan/2023soudan07-09/2023_07-09.html