平成30年10月24日
金融庁
仮想通貨交換業者の登録審査について
仮想通貨交換業者の登録に当たっては、改正資金決済法等が施行された平成29年4月以降、事務ガイドライン[1]等で示している監督上の着眼点等に基づき、書面による形式審査だけでなく、現場訪問によるシステムの安全対応状況の確認などを通じて、実質面を重視した審査を行ってきた。
こうした中、本年1月、みなし仮想通貨交換業者[2](以下、「みなし業者」という。)1社において保管していた顧客の暗号資産(仮想通貨)の外部流出事案が発生したことを受け、金融庁では、利用者保護を優先すべく、みなし業者を含む仮想通貨交換業者に対する立入検査等を通じて、実態把握や各事業者における業務改善の促進に集中的に取り組んできた。
本年8月には、これまで実施した立入検査・モニタリングで把握した実態や問題点に係る中間的なとりまとめ(以下、「中間とりまとめ」という。)を行うとともに、仮想通貨交換業に係る全ての事業者(登録業者、みなし業者、新規登録申請業者)が事務ガイドラインにおける監督上の着眼点をより具体的に理解し、自己点検等に活用できるよう、その公表[3]を行った。
中間とりまとめにおいては、登録審査を行う際、暗号資産(仮想通貨)を取り巻く環境やビジネスが急速に変化することを踏まえ、さらに深度ある実質的な審査を行う必要があるとの考え方を示した。
具体的には、事業者のビジネスプランの聴取及びそれに応じた実効的な内部管理態勢や、利用者保護を優先したガバナンス態勢の整備状況について、書面やエビデンスでの確認の充実、現場での検証や役員ヒアリング等の強化に取り組む方針である。
他方、現時点において、仮想通貨交換業への新規参入を希望する事業者が多様かつ多数に上ることから、各事業者における登録に向けた予見可能性を確保する上では、登録審査のプロセスをより明確化し、その透明性を高めていくことが重要である。
(参考)「変革期における金融サービスの向上にむけて~金融行政のこれまでの実践と今後の方針~(平成30事務年度)」(平成30年9月26日公表)抜粋
Ⅳ. 金融当局・金融行政運営の改革
3. その他
(1)許認可等の審査プロセスの効率化・迅速化・透明化の推進
【金融行政上の課題】
許認可等にかかる審査プロセスについては、予見可能性を確保しながら効率化を図ることが重要である。
こうした観点から、今般、
・ 「仮想通貨交換業者の登録審査プロセス」(別紙1)
・ 事務ガイドラインにおける監督上の着眼点を補足・敷衍し、事業者との対話を円滑に実施するためのツール
として利用している「仮想通貨交換業者の登録審査に係る質問票」(別紙2)
・ 質問票のうち中間とりまとめで示した問題事例にかかる項目を中心に抜粋した「仮想通貨交換業者の登録
審査における主な論点等」(別紙3)
を公表することとした。
これらの資料は、中間とりまとめと併せて活用することによって、事務ガイドラインにおける監督上の着眼点をより深く理解し、登録審査における論点を予め把握する上で有益なものと考えている。
金融庁としては、今後も、登録審査における透明性の向上に向けた取組みを継続的に実施し、効率的かつ適切な登録審査を進めていく予定である。
以上
[1] 事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係16
[2] 改正資金決済法施行前から仮想通貨交換業を行っていた業者であって登録審査中の者。
[3] 「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめの公表について」(平成30年8月10日)
お問い合わせ先
金融庁総合政策局フィンテックモニタリング室
Tel 03-3506-6000(代表)(内線2322、2346)
https://www.fsa.go.jp/news/30/virtual_currency/20181024-2.html